【会長声明】「結婚の自由をすべての人に」東京第二次控訴審判決を受けて
令和7年11月28日付で「結婚の自由をすべての人に」訴訟(以下、「同性婚訴訟」という。)の東京第二次控訴審判決(以下、「東京第二次判決」という。)が出た。
この東京第二次判決は、6件の同性婚訴訟における最後の高裁判決にあたり、ここに至るまで、令和6年3月に札幌高裁で、婚姻に関する民法及び戸籍法の諸規定(以下、「本件諸規定」という。)が同性婚を認めないことは、憲法24条1項・2項及び14条1項に違反するとの違憲判断、同年10月に東京高裁(第一次)で、24条2項及び14条1項に違反するとの違憲判断、同年12月に福岡高裁では、同様の判断を示すとともに幸福追求権を定める13条の侵害も指摘がなされた。令和7年3月に名古屋高裁そして大阪高裁が、24条2項及び14条1項に違反するとの違憲判断をした。5件の高裁判決において本件諸規定の問題点を指摘してきた中で、東京第二次判決においても違憲判断がなされると期待してきたところ、本件諸規定は、「憲法24条1項・2項及び14条1項のいずれにも違反しない」、「合憲」であるとの、これまでの積み重ねを一切無視した、極めて不当な判断が下されてしまった。
東京第二次判決において問題となるのは、現行の婚姻制度から、法律上同性のカップルが婚姻制度から排除されることがなぜ正当化されるのかについて、憲法の前文をもちだし、「『われらとわれらの子孫のために(中略)この憲法を確定する。』とうたうように、国家は、国民社会が世代を超えて維持されることを前提とする。」、「そして、男女の性的結合関係による子の生殖が、今なお世代を超えて国民社会を維持する上で社会的承認を受けた通常の方法であることにも変わりはなく、この方法をおいて、国民社会が世代を超えて安定的に維持されることを期することは困難である。」、そして、今日の社会情勢を踏まえてもなお、「『一の夫婦とその間の子』という結合体を形成しようとする異性の者同士にとって、現行の法律婚制度が、生まれてくる子の出生環境を整えるという観点から実際に有用な制度であることを、優に推認させるものである。」として、法律上同性同士の婚姻を認めると社会の維持が困難になるかのように述べている点である。
さらに、「婚姻数が減少し、未婚率が男女共に上昇しても、生まれてくる子のほぼ全てが嫡出子であるという事実」があると述べ、婚姻外で出生し養育される子、法律上同性カップルの間で養育される子、養子などで養育される子の存在を無視するもので差別的ですらある。名古屋高裁において、「同性カップルが共同して子を養育する場合が一定数存在するとしたうえで、同性カップルが法律婚制度を利用できないことにより、パートナーだけでなく、養育している子の生命身体に深刻な問題が生じうる」と指摘があったことからすると、特異な判決といえる。
そして、現在の状態が今後も続くのであれば、いずれ憲法違反が生じることは避けられないが、まず国会で十分に議論されるべきとの指摘などもあり、東京第二次判決は、同性婚についての判断から逃げたように私たちには映る。これは、少数者の人権を保護し救済するという司法としての役割を放棄するものであり、強い非難に値するものと考える。
6件全ての高裁判決が出て、今後、同性婚訴訟は、最高裁に場を移して議論されることとなる。東京第二次判決以外では全ての高裁で明確に違憲と判断されたことを踏まえ、最高裁でも明確な違憲の判断が下されることを強く期待したいと思う。
また、国会には、立法府として諸規定の改正に直ちに着手することを強く求めるものである。
当協議会は、同性婚の法制化を求めている「Marriage For All Japan-結婚の自由をすべての人に」の賛同団体となっており、同性婚の法制化に向けてこれまで応援してきた。誰もが尊重され、尊厳が守られる公正な社会が実現するよう、引き続き応援を続けていくものである。
令和7年12月31日
東京青年司法書士協議会
会長 本 岩 大 佑
